健康読本53
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依存性に関しては、麻薬などのように強いものではありませんが、睡眠薬や抗不安薬として使われるベンゾジアゼピン系薬物に認められています。これらの薬も、つらい不眠症や極度の不安を和らげるために必要な場合があります。ただし、できるだけ少量でしかも短期間で使うことが原則です。そして、回復したならば徐々に減らしていきます。 主な病気に関しては、国内外の専門学会が治療ガイドラインを作成しています。精神科専門医は、標準的な精神科治療学の専門書やこのガイドラインを参考にして、どのような場合に薬が必要か、どのようにすれば副作用を避けながら、効果を最大に引き出し、最適な治療を行えるかなどを総合的に判断します。たとえば、日本うつ病学会のホームページをみると、うつ病や双極性障害の治療ガイドラインを自由にダウンロードできます。統合失調症のガイドラインは本で購入できます。 ここで大切なのは、精神科医療では、高血圧や糖尿病のように客観的な検査が確立しておらず、しかも一人一人がもつ問題において個人差が大きいために、一辺倒な治療ではなく、その人に最も適した治療法をガイドラインの上に組み立てる必要があるということです。患者さんのおかれた社会的な環境や受けているストレスの原因、病前の性格傾向など、人により異なる諸特徴、病気の性質(診断名、重症度や持続期間など)、薬の効果と副作用の出やすさをきめ細かく検討した上で、精神療法と薬物療法、下記に挙げる各種サービスの提供とを患者さんごとに組み合わせて治療を進めていきます。服薬は主治医の指示に従って慎重に12わたくしたちの健康読本
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