ウイズコロナ―新型コロナウイルスと共存できるか―
2022年8月、わが国は新規感染者数、新規死者数とも世界ワースト1位となった。わが国のFactorXは幻と消えたかのようだ。COVID-19パンデミックとなり、アルファ株、デルタ株、オミクロン株と変異株が次々と登場し、感染は第7波を迎えた。昨年、オミクロン株の亜種「BA.2.75」であるケンタウロスが登場し話題となった。BA.2系統から変異した「BA.2.75」は、変異が大きく、本来のBA.2系統と特徴は大きく異なり、BA.5に似た部分も持っている。SNS上ではギリシア神話の半人半馬のケンタウロス族から「ケンタウロス」とも呼ばれている。スパイク遺伝子が36個変異し、強い感染力と免疫逃避力を併せ持っている。従来のワクチンでは感染予防効果は3分の1しかないようだ。新型コロナウイルスは変異が早く、2021年はデルタ株、2022年はオミクロン株が感染爆発の中心となっている。コロナウイルスの世界でも生存競争が激しく、従来の株より感染力が強く早く拡がるものが生き残る。一昨年に流行したデルタ株も駆逐され消え去っている。ギリシア神話では半人半馬のケンタウロス族は野蛮で粗暴とされている。しかし、ケンタウロス族のなかでケイロンだけは賢く知性に溢れ、医学や音楽に精通し、英雄ヘラクレス、勇士アキレス、医神アスクレピオスの先生であったという。ケンタウロス族の賢者ケイロンのような、人類と平和共存できる新型コロナウイルスの変異を願う日々である。