ロシア・アフリカ首脳会議に見るアフリカ諸国のロシア離れ―米韓同盟の今後と中露接近の行方、そして日本の防衛政策の今後は?―
第2回ロシア・アフリカ首脳会議が2023年7月28日にロシア・サンクトペテルブルクで開かれた。アフリカの食料安全保障の強化をうたった共同声明と、資源・エネルギー開発など両者の協力促進を定めた行動計画などの文書が採択された。議長国コモロのアザリ大統領は「会議の結果に感謝している」としつつ「ロシアがアフリカに投資することは、他国がアフリカに立ち入らないことを意味しない。パートナーは多いほど良い」と表明した。また、4年前の第1回会議での参加は43か国だったが、今回は17か国だったことから、アフリカに対するロシアの影響力の限界が指摘されている。
韓国の尹錫悦(ユンソンヨル)政権は、韓国を「グローバル中軸国家」にするというスローガンを掲げ、米バイデン大統領との首脳会談の後、米韓共同文書として核抑止力強化の「ワシントン宣言」を発出した。これに対して、駐韓中国大使は不満を述べた。
一方、防衛省統合幕僚監部は2023年7月28日から29日にかけて、中国とロシアの海軍艦艇計10隻が宗谷海峡を抜け、日本海からオホーツク海へ入ったと発表した。中露両国は太平洋での合同パトロールと発表しているが、9隻が18日から23日にかけて日本海において共同射撃訓練を行っており、中露両国のさらなる接近は否定できない。プーチン大統領は、中露軍事同盟については否定してはいるものの、日米韓首脳陣は、北朝鮮や台湾海峡への対策ばかりに拘泥せず、北海道地域の安全保障と防衛政策も忘れてはならない。