難病及び小児慢性特定疾病の新たな医療費助成制度 ―助成対象拡大と課題―
平成27年1月から難病及び小児慢性特定疾病の新たな医療費助成制度が始まった。医療費助成の対象疾患が難病では56疾病から約300疾病、また小児慢性特定疾病では514疾病から約700疾病に拡大された。これにより受給者数が難病と小児慢性特定疾病あわせて平成23年度の89万人から165万人に増加すると予想されている。この制度による自己負担額は既認定者では多少増額となったが、新規認定者においては大幅に減額となった。対象疾患が拡大された事により多くの患者が負担軽減になった事は大変評価される。
小児慢性特定疾病と認定されている多くの疾患は、20歳を過ぎても治癒するわけではない。難病医療法との連携がとれない場合には、小児慢性特定疾患対策に係る助成の制度が切れ、急に医療費の自己負担額が上がる。その事により治療が継続されないケースもみられる。消費税増税延期により社会保障の財源が不足したままであるが、必要な疾患では成人後も医療費支援が継続される制度作りが望まれる。