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医療におけるビッグデータの活用 ―ビッグデータは誰のもの―


近年社会のIT化に伴い多くのビッグデータが蓄積されつつある。医療に於いても既に多くのビッグデータが存在する。レセプトデータと特定健診データのナショナルデータベースを始め、電子カルテ上にも日々多くのビッグデータが生まれつつある。また外科系各科では手術症例を登録するNCD(National Clinical Database)の登録が始まっている。これらビッグデータには多くの貴重な情報が潜んでおり、使いようによっては膨大な利益を生み出す可能性もある。

一方これらデータは患者さんが我々医療者に提供したものであり、またその記載や登録には非常に多くの人的資源が投入されているのも事実である。

しかしこれらデータの活用については個人情報として保護的立場を取るのか、有効活用する立場を取るのか、公的利用にとどめるのか、製薬会社など民間機関にも解禁するのか、あるいは活用により得られた利潤の還元をどのようにするのかなど多くの問題が山積している。ビッグデータを取り扱う関係機関は慎重に審議した上で、患者さんや医療者が納得できる答えを見いだすべきである。