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反省 ―読み書き(そろばん)って大事でした―


私は文字書きが下手である。言い訳はいろいろ考えつく。小学校から、方程式だ、計算だ、中学に入ったら偏差値だ、高校は共通一次だ、と、医師国家試験に至っては、マークシートで太い鉛筆で塗るだけ。字なんか書けりゃ読めりゃいい、で今まできた。切羽詰まっても丁寧に書けばいい。そんなふうに考えてきた。親が死んだ。宗教という別世界から戒名頂く。すごく綺麗な筆文字だなという感想。私の文字と比較なんかしなかった。

子どもが結婚することになった。相手の方のお父様がなんと僧侶でした。ご挨拶の手紙を万年筆で丁寧には書いた。しかし、お相手は白木の位牌に毛筆で戒名を書くこともお仕事。別に言われた訳ではない。自分の書いた万年筆文字を見つめながら考える。もっと文字書き練習しとけばよかった。