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腸の不思議 ―腸内細菌叢と生活習慣病―


最新のメタゲノム解析という手法を用いた研究によれば、ヒトの腸内の常在細菌叢のゲノム配列を直接シークエンスすることで、その全体像が解明されることがわかった(東京大学・服部正平教授)。それによれば、日本人の腸内細菌叢は(1)ファーミキューテス門、(2)バクテロイデス門、(3)プロテオバクテリア門、(4)アクチノバクテリア門の4種類に分類される。

このうち、(1)ファーミキューテス門の細菌群は、ヒトが本来消化できない食物繊維などの多糖類を分解する能力があり、その分解産物を宿主であるヒトが吸収し、エネルギー源として脂肪細胞に蓄えることができるが、その他の細菌群にはそのような能力は少ない。一方、肥満の人の腸内細菌叢を調べると、このファーミキューテス門の割合が多く、その他の細菌群が少なくなっていることが判明した。

このような腸内細菌叢の環境がメタボリック症候群、糖尿病などの生活習慣病の発症・進展過程に影響しているという説が注目されており、個々人の腸内細菌叢を評価することは、生活習慣病対策の一つとなる可能性が高い。