保育所増設に反対する時代を憂う ―自らも、自らの子や孫も保育所にお世話になったことを忘れてはならない―
保育所の受け入れ許容人数の不足のため各地で待機児童問題が取り沙汰されている。国会では保育士の増員の対策として、保育士の給与改定を決定したようだが、何だか場当たり的措置のように思えてならない。保育所は、一定の面積と人口によって受け入れ施設の数や規模が設定されているだろうが、大都市圏では保育所の増設も止むを得ない状況である。増設によって多くの母親の職場復帰の可能性があり、望まれる局面であろうと思われる。
最近、保育所の設置に対して「子供の声がうるさい」などの近隣住民の声により、断念せざるを得なかったとの報道があった。施設の特性で、夜間のいわゆる“騒音”はない。「除夜の鐘」にまで“騒音”といって論及する住民がいる時代である。だからといって看過する訳にもいかないだろうと思われる。
自らも、自らの子や孫も多かれ少なかれ保育所にお世話になりながら、時が過ぎた時点で、反対運動に加わることは、考え物ではなかろうか。