自・公・共・互―地域包括ケアシステムに必要な4つの助―
地域包括ケアシステムでは、様々な問題を自助・公助・共助・互助の4つの助の連携で解決しようとしている。
「自助」は、個人でできること。健康に注意を払い介護予防に努めるなど、個人の主体的な活動。「公助」は、行政が行う税金で賄われる社会福祉制度で、高齢者福祉事業、生活保護など。「共助」は、被保険者相互の負担で成り立つ相互扶助活動で、年金、医療保険、介護保険、社会保険などである。自助には個人の限界があり、公助・共助は少子高齢化でお金が足りない。そこで注目されるのが「互助」である。
「互助」は、費用負担が制度に裏付けられない自発的な活動で、家族・友人・ご近所・町内会・ボランティアグループ・NPOなど、様々な関係性と形態を持つ。時には支え、時には支えられ、支え合うことで他の3つの「助」の隙間を埋める「互助」の必要性は、これからますます高まっていく。また「互助」が根付いた安全で住みよい地域は、人口減少社会の中でも生き残るだろう。
少子高齢化の時代、多様性を寛容に許容しつつ、温かく助け合う互助の復活が望まれている。