介護認定を問い直す ―新たな判定システムの構築を―
2000年にスタートした介護保険制度では3年ごとに介護報酬と介護認定の見直しがされ、来年が5度目となるが、社会保障制度改革を推進するための所謂「プログラム法」の下、介護保険についても給付費の削減が計られている。制度の重点化、効率化、公平化を謳って要支援者の切り離しや特養入所に制限を設ける(要介護3以上)などの方針が示されているが、介護保険制度の理念に反するのではないのか。
そもそも介護度を決定する肝心の介護認定に見直しはあるのだろうか。一次判定のためのコンピュータソフトは当初から認定ロジックが疑問視されており、厚労省は厳格な判定の為の適正化事業を進めていると言うが、認定審査会での二次判定時には、一次判定の結果に失笑を禁じ得ない事例が未だに散在している。ビッグデータの時代である。そろそろ樹形図から離れ、これまでに大量に蓄積された判定結果を分析し、科学的で透明な、公平・公正な判定システムを再構築しては如何だろうか。そして、現行の非効率的業務からの解放を望む。