「アンチエイジング」か「ウイズエイジング」か
2021年01月01日
人は誰でも年をとる。年をとっても何らかの仕事を持ち、活動的であることをよい老年とし、老化現象で病気や障害を持つのは悪ときめつけて、逆らおうとする主張が、抗加齢(アンチエイジング)である。それが、いつまでも若々しくと願う中高年の心理をとらえ、そもそも無謀な健康器具や、効果が疑問な高額なサプリメントに飛びついて、大切な老後資金を失ってしまう人がいる。これに対して、老化により衰えた機能は認めつつ、残っている機能に着目し、好きな事、得意な事を積極的に楽しんでいこう、と提唱されたのが、老化に寄り添う(ウイズエイジング)(国立長寿医療研究センター長、鳥羽研二氏)である。若い時と比べ、記憶力が落ちても、判断力や推察能力、寛容さなどはむしろ向上している。積み重ねてきた人生、続けてきた趣味、成熟した自己を、もう一度見直して、自信と満足の生活をする。たとえ認知症や病気で介護が必要になってもそれは敗北ではない。幸い日本には世界に最たる医療保険、介護保険もある。それらを使って、自分らしい生活は可能である。
死は誰にも必ずやってくるが、それまでは、ウイズエイジング的生き方がお勧めです。
広報委員会