日本の自殺者数の動向
2021年05月01日
昨年末から今年にかけて、日本における女性の自殺者数が増加しているとの報道を複数のメディアで目にしました。そこで実際の数字はどうなのか、厚生労働省自殺対策推進室が出している報告に当たってみました。日本国内の年間の自殺者数(男女の合計)はこの10年ほど減り続けていました。2009年には年間32847人だったものが、2019年は20169人とおよそ3分の2にまで減少しています。これまで減少傾向であった自殺者数ですが、昨年の7月から12月まで女性の自殺者数は連続して前年同月より増えており、これがマスコミに大々的に取り上げられることになった要因だと思われます。男性の自殺者数は昨年の8月から12月まで連続で前年同月を上まわっていますが、1年間の合計では前年を若干下まわっておりました。2020年の自殺者の総数は21081人となり11年ぶりに上昇に転じております。これは女性の自殺者の増加によるものです。コロナ禍による生活環境の変化やそれに伴う経済問題(非正規労働、失業などによる収入の減少)、著名人の自殺がマスコミに大々的に取り上げられたことによる影響などが原因として指摘されております。今年の1、2月も引き続き女性の自殺者数は前年を上まわっています。この傾向が続くのか注視する必要があると思います。厚生労働省やNPO法人などが多くの相談窓口を開設しております(日本いのちの電話連盟、厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」、東京自殺防止センター、よりそいホットライン等)。簡単にネットで検索できると思います。心配なことがある方は悩みを抱え込まず、一度相談してみたらどうでしょう。
広報委員会