若い女性の鉄欠乏性貧血
2022年07月01日
厚労省の調査によれば、若い女性の3人に1人が貯蔵鉄(鉄の貯金)の足りない鉄欠乏状態にあり、4人に1人は血色素が12g/dl未満の鉄欠乏性貧血であるとされています。鉄欠乏性貧血の症状は動悸や息切れがする、立ちくらみがある、疲れやすくだるい、朝起き抜けが悪い、顔色が悪いなどですが、ゆっくり貧血状態になるので症状がはっきりしないこともあります。その原因は毎月生理の出血で鉄を失うのにその分の鉄を食事から摂れていないことにあります。ですから治療は鉄の補給です。鉄剤を毎日服用します。すると1~2ヶ月で血色素が正常化し、貧血が治ったように見えますが、この時は貯蔵鉄(フェリチン値)はまだ空っぽです。ここで服薬を中止するとまたすぐに貧血に逆戻りしますので、フェリチン値が50ng/ml以上となり貯蔵鉄がいっぱいになるまで、少なくとも6カ月間は飲み続けなくてはいけません。鉄剤の静脈注射もありますがショックや鉄が身体に沈着してしまうなど副作用が強いので原則として使いません。
広報委員会 古川賢一