女性アスリートと月経異常
2023年03月01日
12月の京都、全国高校駅伝で長野東高校が初優勝を果たしました。2017年には佐久長聖高校が男子で優勝していますから、まさに「長距離王国信州」と言っても良いでしょう。一方、陸上長距離は女子選手にとって月経異常を来しやすい競技でもあります。最近では過去の名選手や現役の日本代表クラスの選手たちが、自身の現役中の月経異常についての発言を目にすることも増えました。
特に10代の女性選手にとって月経異常が問題になるのは、女性ホルモンの低下に伴う骨の異常に繋がることが指摘されているからです。女性の一生で骨のカルシウム量が増加するのがこの時期ですが、激しいトレーニングに伴う「相対的エネルギー不足」が一因となり女性ホルモンの分泌が低下すると、この期間に十分なカルシウムが骨に蓄積されません。その結果、疲労骨折を起こして競技に影響を及ぼしたり、また将来、骨粗鬆症に繋がる懸念があります。
チーム一丸となり都大路で勝利をつかんだ姿は素晴らしいものでした。一方で10代の女子選手たちの将来にも目を向けて、彼女たちが生涯ランナーとして活躍できるようにすることも、周囲の大人たちの重要な責務でしょう。
広報委員会 丸山和俊