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心不全がわかる血液検査:BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)


2024年07月01日

 心不全とは、「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」と定義されています。実は心不全はがんよりも予後が悪く、5年生存率は心不全では約50%、全がんでは約70%と言われています。2020年の心不全患者数は約120 万人で、がん患者数の約100万人よりも多く、2030年には130万人以上に達するとされています。わが国の総人口は減少に転じているにもかかわらず、心不全患者は今後も増加することが予測され、「心不全パンデミック」と呼ばれています。
 BNPは心不全の重症度が分かる血液検査です。BNPは心臓から分泌されるホルモンで、心臓に負担がかかると増加します。このホルモンは血管を広げ、尿量を増やすことで、心臓の負担を軽減し、むくみや息切れなどの症状を改善する効果があります。BNPの値が高いほど心不全の症状が重いと考えられ、治療効果の指標として用いられます。息切れ、むくみ、倦怠感などの症状があり、心不全が心配な方は、かかりつけ医に相談して、心電図や胸部レントゲン検査に加えてBNP検査を受けることをお勧めします。
                                            広報委員会  結城昌慶